【永久保存版】ディズニー英語システムを98万1200円で契約した話
本当です。これまで自称英語教育の専門家を謳い、英語教材は無料でアクセスできる時代であると世の人々に公言してきた私(の妻)が本日DWEを契約してしまいました。高級英語教材として知られるディズニー英語システム(通称DWE)はディズニーベースの教材で良質なインプットができ、さらに月額会員(有料)に登録すると週末イベント(有料)や国内宿泊イベント(有料)でアウトプットできるというものです。そんなDWEを契約するまでに至った経緯をブログにまとめます。
ことの始まりは先週の昼時。産休中の妻(上海人)が娘(6ヶ月)を連れ表参道でぶらぶらしていたとき、ディズニー英語のブースを発見し立ち寄ったらしいのです。そこでDWEの手短な説明を受け、ディズニー好きの妻は大興奮!その場で無料体験という名の自宅訪問型営業の約束をしたらしい。ちなみに無料体験に申し込むとDWEのサンプルDVDとポーチがもらえるという特典に惹かれたらしい。帰宅後サンプルDVDを視聴し、無料体験を心待ちにして本日を迎えたわけです。約束通りの時間朝9:30、この道15年の育児教育アドバイザーと呼ばれる品の良い女性の方が我が家にやってきた。まずは英語を身に付けるためには何が大切なの?というお話を伺いました。
0〜3歳は、脳のゴールデン・エイジです
英語を身につけるには時期が大切です。所謂、臨界期という仮説のお話かもしれません。出典やサンプル数は不明ですが、1984年の研究では生後6ヶ月までに英語の音を浴びないとLとRの聞き取りができなくなるという恐ろしいデータを見せて頂きました。
週1回の英語の授業では52年もかかってしまいます
日本語を話し始める2歳までに2,190時間インプットしているので、英語も同様に話し始めるには2,000時間が必要であるというロジックです。しかも恐ろしいことに週1回ペースで英語をチンタラやってたら52年もかかるそうです。
インターナショナルスクールは1200万円くらいかかる
英語を身につけるためにインターナショナルスクールに行かせることになれば小学校6年間で1200万円、プリスクール、英会話教室に行かせると年間数十万かかります。DWEは月額1万円からの学校ではなく教材です。
ディズニー英語システムで英語ペラペラ
ディズニー英語システムなら、楽しみながら英語を話せるようになる。指定された方法で2000時間を費やすと英語がペラペラになり驚く両親が続出します。具体的にどうやって?その秘密はミッキーと愉快な仲間たちが登場する点!あのミッキー達が繰り広げる夢の世界には勝てるキャラクターはいない。そしてディズニー英語システムといえばトークアロングカードと呼ばれるスライド式のマシーンでお馴染み。単語を例文が読み上げられる仕組みが基本動作です。契約するとこのトークアロングカードが510枚とこのマシーンをもらえる。最近では自分の声を録音する機能が追加され、反意語や複数形はアナログ感満載の赤と緑のマジックスクリーンでアニメーションで覚えられるとのこと。
そしてコアテキストとなる12冊の絵本とCD、これと連動した英語の歌約130曲、TPR(全身反応教授法)に基づいたアクティビティ集、多種多様な玩具などなど以下の写真がフルパッケージプラン。全てデモンストレーションして頂き、パパもママも赤ちゃんもご満悦です。個人的にはオプションのパッケージにあるレッツ・プレイはCLIL(内容言語統合型学習)系のハンズオンのアクティビティ体験型プログラムで学んだ内容をベースに実践する内容でここがトキメキポイント!パパとママが頑張れば、理科の実験や工作が英語で家庭で再現できちゃいます。
これらの音声や動画や絵本を使ってスピードラーニングのように聞き流し、2000時間のインプットで素地が作られ、さらにアウトプットに繋がる有料イベントに参加するとさらに効果が上がります。親は英語ができなくても大丈夫!教えなくていい!褒めてあげるだけで英語がスラスラ話せるようになります。このフルパッケージを申し込んでいただけると通常1,384,900円のところ本日限り981,200円でお買い求めいただけます。しかもワールド・ファミリー・パッケージを契約頂くと7つのプレゼントが貰えます。本日限りです!
上海人妻:じゃ買います!
私:ヽ(゚Д゚;)ノ!! チョ待った!!
上海人妻に論破される
私は断じて本日の契約はしないと言い切りましたが、ディズニーの魔法にかかった妻は折れません。本日契約しないとミッキー・メイト(ミッキーの顔の形をしたDVDプレイヤー)がもらえなくなるという恐ろしい事実を突きつけられました。その後は寝室に連れていかれてディズニーの魅力と私の日々の行いにおける説教を受けながらも、私の自論を展開しましたが、最終的に妻は勝手に契約書にサインをしてしまいました。そして時間を見ると13:30で4時間がー経過していました。これがまさにシンデレラ現象です。
ディズニー英語システム総評
①コンテンツが魅力的
基本例文に伴うディズニーの視覚教材が大人が見てもハマってしまいそうなほど魅力的です。どの文法事項でもコンテクストに合わせて映像と例文や用意されていて、登場人物も綺麗なアメリカ英語を流暢に表情豊かに話しています。歌やリズムで基本例文を覚えるのもTPRを応用したアクティビティも伝統的ではありますが幅広く網羅されています。
②料金が高額
日本のマーケット向けに開発されたディズニー英語システムは、全てオリジナル教材でディズニーのライセンスも使って、160人の英語講師を抱えていて、マーケティング素材やノベルティグッズが豊富で、幼児教育アドバイザーと呼ばれる営業の方が自宅まで来て4時間も話をしてくれる。教材開発以外に相当な費用がかかっていて、70%はブランディング&マーケティング費用、人件費という感覚です。ノベルティグッズのバラエティや料金体制のからくりと精密さ、営業トークの洗練度合いが抜群です。これくらいの金額で勝負しないと維持できるビジネスモデルではないのは理解できますが、分割払いの金利が12%はなかなか攻め具合です。
③親の時間と労力が不可欠
この素晴らしい映像教材や音声を聞き流すだけで話せるようになるというスピードラーニングと同様の宣伝文句は信用できません。話せるようになることやネイティブライクネスの定義が難しいところですが、アウトプット機会だけでなく有意義なインタラクションも必要です。そのためにも学びをサポートする保護者(Caregiver)の存在が不可欠です。映像や音声を流す環境作りからイベント参加まで親の時間と経済的なゆとりが最低条件です。DWSで英語を身につけ10歳で英検準1級を取得した川上くんの保護者も大学の先生だそうで、あらゆる面で余裕があることも重要です。
結論
まとめると第二言語として英語を学ぶ日本の子どもに対する一英語教材としては優れていますが、それを継続して使用できる環境と親の時間と労力は付いてきません。言語適性(Language aptitude)があるので一概に英語がペラペラになると断言できず、どんなに優れた教材であっても学びをサポートするCaregiverが不可欠です。マーケティング費用を差っ引いて、開発コストやノベルティや特典の原価を考えると30〜40万円程度の価値が妥当だと感じました。そして成功&失敗要因は教材に在るのではなく、この教材を継続的に使用する環境を作る親とその後のアウトプット活動機会の有無次第です。
優れた教材や深い学びが起こる教育にはお金がかかるのは事実です。ブランディングから普及活動、戦略的な商品の営業、継続的に使ってもらうための仕組み作りなどなど。良い教材を世の人に知ってもらい、手にとってもらうまでに金がかかるわけです。ある投資家の方に、「タクトピアの英語学習プログラムは料金を引き上げてよりマーケティングに力を入れればバカ売れする」とアドバイスを頂いたのを思い出しました。当たり前ですが、世の中のあらゆる有名ブランド品は戦略的マーケティングによる戦利品です。
最後に幼少期の投資における費用対効果が高いことは有名ですが、子どもの教育のためにどこにいくら投資するかという家庭内の議論は尽きません。そもそも自分の子どもが将来どのようになってもらいたいかというと最優先事項は英語を話せるようになることではなく何よりも健康で心的安全性の高い環境で好きなことを追求してもらうこと。そのためには良質な教材だけでなく自己肯定感の高い大人に囲まれて意味のあるやりとりをしてもらうことが、親として嬉しいことであります。英語を話せるようになることのみが目的となり、本質的な学びの価値を失い、子どもを受験戦争に突入させ数字で勝負する世界で迷走させることだけは避けたいと強く思っています。この高級ブランド教材は価値があるけど高額過ぎるが結論です。しかし購入してしまったからには、DWEをフル活用して自分の研究に生かしながら1年毎に子どもの言語習得の様子を報告していきたいと思います。